LIVE FREE -執着しないこと-

2016年1月にプロポーズされ、6月に体調不良で休職し、同時に母親が2度目のガンで手術し入院。その前に婚約していた彼から距離を置こう、と言われた28歳女のブログです。

大変だったね

私は、心の底から今の彼と一緒にいられることに感謝している。


実は、最近までこの彼でいいのだろうか、もうこのままだと別れた方が良いかもしれないな・・・
と思っていた。

なんだか、彼が私に向ける好意すべてが嫌になってしまったのだ。
メールが来たり、電話がきたり、心配されたり、私の言ったことにいじけたり、触ったり手を繋いだり、彼のあのまっすぐな目線さえも。

すべて嫌だった。放っておいてほしかった。

でも、彼が私に向ける好意のなかに、「悪」がないのだ。「善」しかない。
そうすると、断ることがとても「悪」のように思えて、そういうモヤモヤを言うことができていなかった。

 

でも、突然昨日それを伝えることができた。
伝えて、一緒に話して、私はそれだけでスッキリして、今こうしてブログを書いている。


私は、自信がなかった。
彼の好意を受けとりたくないってことは、私は彼のことが好きではないのかもしれない。

いや、”あの彼”がまだ大好きで本当に愛している私は、今の彼と付き合うことはやっぱり無理なのかもしれない。
だから、別れた方がいいのかもしれない。

ああ、あの彼じゃなくても、こういう人と付き合ったらもっと違うのかな。とか、他の人のことさえ考えた。

私は、1ヶ月くらいずっとそんな感じで悩んでいた。

その間に、何回か一緒に夜を過ごしたけど、嫌だった。本当はしたい気分になっていなかった。
我慢していたし、もっとこうしてほしい、なんて言えなかった。彼は彼で、一生懸命私を求めていた。


私はずっと追いかけられていた。
私はそれにどんどん疲れていっていた。


きのう、彼から連絡があり夜電話をした。
「ーちゃんといるとモチベーションが上がらないんだ」と言葉を振り絞って言われた。

私は、それを聞いて本当に「面倒だな」と思った。
心の底から、この人とやっていけないな、ああもう終わりなんだな。と思ったのだ。
この、夏が過ぎてすこしひんやりする雨が降る日って前から苦手で、なぜだか直感で「こういう天気に嫌なことが起こるんだよな」
なんて思ったりもした。

私の心が一気に怒りに支配されたので、一旦電話を切った。
こういうところは、あの彼の時よりは成長しているのかもしれないな。


彼から、モチベーションが上がらない、といわれて、面倒だと思うと同じくらい、ショックを受けていた。
私のことが大好きな彼が、私といることが良くないと思っている。。。

すこし甘えていたのかもしれない、と思った。


それを反省すべく、一旦電話を切っている間にノートに自分の気持ちを書いた。
こうやってブログを書くみたいに。

でも、出てくるのは反省とか、彼のために考えることではなく、
私が今まで思ってきた、モヤモヤばかりだった。


別れたい、とずっと思ってきたこと
他の人との未来の方が明るいような気がすること
触れる手や目が、嬉しいはずなのになんだか嫌だと思うこと

これは本当に勇気がないと伝えられなかった。
すべて彼を傷つけてしまう言葉だと思ったし、「じゃあ俺はどうすればいいの?」とか「じゃあ別れるってことなんだね・・・」とか
もう返答に困ってしまう反応が来るかもしれない、それもそれで面倒だな・・・とすごく冷めた感情が出てきた。


また電話がきて、私は話はじめた。
彼は私の話を本当によく聞いてくれた。まあいつもそうだけど。

話終わると、彼は「そうなんだね」とだけ言った。
それだけだった。

私はたまらず、どう思っているの?ときく。

彼はああそうだね、みたいな感じで「それは大変だったねえ」という。
また、これだけだった。

私が思っていたような面倒なことにも、私を攻める感じにも喧嘩にもならなかった。


そうだ、彼ってこういう人だった。
と拍子抜けしてしまった。


本当に変な人だ。
私の言葉を本当に信じているし、何をいっても「ーちゃんだし大丈夫だよ」と言い、どんなに喧嘩になりそうなことを言っても「そうかあ」としか言わないのだ。
これが、私が重要なことであると感じれば感じるほど、そういう彼が大きくでてくる。

 

✳✳✳

私は、あの彼と付き合っているとき、「私が思う理想の彼になってほしい」と思っていた。
それは、私のことを本当に愛していて、何よりも私を優先してくれて、お金も私とのことに多く使ってくれて、いつでも会いたいと言ってくれて、
私との将来を考えていて、こうしたいねって私にたくさん言ってくれる人・・・

実際、今の彼はそんな人だ。
私は「理想の彼」を手にいれた。

でも、手にいれた瞬間、そんな彼が嫌になってしまった。
私に向ける好意すら、嫌気がした。気持ち悪いような感じもした。


1年くらい前に理想だったものが、全く真逆の状態になってしまった。

前に思っていた私の理想は、「あの彼がしてくれない」と不満に思っていること
というだけだった。

追いかける側から追いかけられる側になりたかった。
求める側から求められる側になりたかった。
愛する側から愛される側になりたかった。

今、そうなっているけど、私は満足していないし、むしろ不幸な気分になっていた。

ほしい、と思っていたものが実はほしいものじゃなかった。
なんて不思議だろう。だったら、今ほしいと思っているものも実はほしくないのかもしれない。


そんなことがこの世でたくさんおきているのかもしれない。


ほしいものが手に入らないことの辛さを私は知っている。
ほしいものが離れてしまう悲しさも私は知っている。

でも、本当にほしいものってないのかもしれない。

 

そう思うことが本当に多くて、人間って不思議だな、と思うのだ。
こういう状態になりたい、と思ってそれが手に入っても、今の状態が不安と不満だらけなら自分の状態は変わらないのだ。
これって真理なのかも。


この一件で、私たちはまた関係が深まった気がする。
あなたの好意で嫌な気分になるの、と言ったのに「それは大変だったね」とだけ言える彼の心はどれだけ広いのだろうか。